『人生の危機を乗り越える為』のLogotherapy勉強会

オーストリアの精神科医
ヴィクトール・フランクルのロゴセラピー

ロゴスとは、ギリシャ哲学では世界万物を支配する     
「宇宙の力(理性)」の意味

患者に自らの「生の意味」を見出させることで心の病を治す心理療法。

「人生の意味を見出した人間は、苦しみにも堪える力を持つ」と説く。

強制収容所という究極の絶望の中で垣間見た人間の高貴な本質。
フランクルはその中から、実存的な本性を覚醒させる技法「ロゴセラピー」を提唱。

  

人間の本当の姿(実存)は、限りなく高貴で偉大な存在
高い次元に属する「精神」。
すべての人間は良心を持っている。
故に、すべての人間は「神性」をその本質とする
(ロゴセラピーの基本理念)

【生命の意味】

人間の世界を超え、宇宙を支配している【超世界】があるという想定。人間はその超世界が我々を動かしている目的(超意味)を確実に知ることはできない。
(超意味は、人知の及ばないところにある)故に我々は、「この世に生かされている意味」についても十分には知り得ない。
我々はその意味を問うのではなく、自らの力で意味を見出していかなければならない。決定するのは常に「自分」である。 人は各瞬間に多くの可能性の中から一つを取り出し決定し、実行し、それを過去の領域に送り出しつつ生活しているものである。

           
意思の自由摂理の中に生きるにも拘らず、自由意志を持つ。  決定するのは常に自分。
意味への意思自然の持つ超意味はうかがい知ることはできないにも拘らず、生きる意味を強く求める。
人生の意味それぞれの人の人生には独自の人生の意味が存在する。


【意味を分ける3つのカテゴリー】
         
創造価値仕事など能動的なもの意味を決定するのは常に自分
体験価値楽しみなど受動的な体験自然・美・愛などの感動・恍惚
態度価値運命を受けとめる態度運命に堪え、十字架を担う時の品位ある態度
   

【苦悩の意味】

フランクルは現代は「広範に広まった実存的欲求不満の時代」であり、多くの人が自分の人生の意味を疑い、しかも苦悩することが出来ず、労働能力や享受能力を過大評価し偶像化するがゆえに絶望することの多い時代であると指摘する。
そこに必要なのは、運命に対する「正しい誠実な苦悩」であり、そのような苦悩する能力によって実現される品位ある生き方なのだという。

   

【愛の意味】     

「愛」という概念は家族制度の中で育った日本人には一般に余り深く追及されていない。しかし昨今のような家族の崩壊の世相の中で、もう一度深く「愛」について考察することが求められているような気がする。

愛にはいろいろな姿がある。恋愛、性愛、夫婦の愛、親子の愛、家族の愛、隣人への愛、博愛、人類愛、等々。
フランクルは愛について・・真の愛は人がその「一回性」と「独自性」において、根本的に他者と比較できないことを前提とする。そこには競争も嫉妬もない。
愛の関係で嫉妬するものが恐れるのは競争相手と比較されるという可能性からであると述べている。     
愛妻テリーに捧げられた「死と愛」という本の中で、愛の意味を深く追及している。

【死の意味】    

死は生命を意味あるものにする
一つの炬火が消え失せても、それが輝いたということは意味を持っていたのだ。燃えない炬火をどんなに長く持つ続けても、それは何の意味もない(死と愛より)

     

トピックス

フランクルの著書

夜と霧
強制収容所の中で見た人間の本質。




死と愛
ロゴセラピーについての論文。




   

それでも人生にイエスという
辛い人生をも肯定する力




人間とは何か
ロゴセラピーについての論文。




更新履歴

新装 2017/05/01
改装 2017/05/15
更新 2017/08/27
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